『ビフォア・ミッドナイト』

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    ウィーンの夜明けから18年、パリの夕暮れから9年、今回はギリシャの夜です。

    前作からジェシーとセリーヌの関係はちょっと変わりました。まず序盤でジェシーが男の子と歩いているシーンで始まります。彼はハンク、ジェシーと前妻の子供です。彼らはヴァカンスでギリシャに来ているんですね。そして、ジェシーとセリーヌのあいだには双子ちゃんがいます。この双子ちゃん(エラちゃんとニナちゃん)が可愛いこと!前半で雑貨店によるシークエンスがあるのですが、その時の双子ちゃんが本当に可愛いので要チェックです。因みにニナは前作の終盤で引用された歌手の名前から取っているみたいです。
    ジェシーがアメリカに帰るハンクを空港まで送るシークエンスは序盤の泣き所ですね。ジェシーは心配でしょうがないんですよ。ヘタしたらウザい!って言われちゃうレベルなんです。本当に息子を愛していることが伝わってきますね。ハンクも優しく父の愛を受け止めているんですよ。ハンクはすごく大人な子供なんです。問題のある夫婦の子供って何であんなに大人なんですかね。不思議です。でも夫婦仲は最悪みたいで、子供にコンサートに来ないでって言われちゃうんですね。何で?って訊くと「パパがいるとママがすごく嫌がってそれが僕を緊張させるんだよ」とか言われちゃうんですよ。その時の悲しげなジェシーの顔がまたいいですねえ。でも、「この夏は人生で最高の夏だったよ」って言ってくれるんですよ。オヤジ超嬉しそうなんですよ!(笑)
    で、ジェシーがハンクを送り出すと車に乗り込むんですね。そこにはセリーヌと娘達が載っています。双子ちゃんは天使のような寝顔でスヤスヤ寝ています。それに反して二人の間にはちょっとした緊張があるんですね。今まであんなに仲の良かった二人の間にちょっと違和感があるんですよ。さんざん離れていた二人が、こんなに近く、車の運転席と助手席、モロ隣に座っているのに、距離があるように思えるんですね。ハンクや前妻についての話をしたあとに、仕事の話をし始めるんですよ。どうやらセリーヌは子育てが一段落したからまた働きたいと考えていると。でもジェシーはセリーヌが働きたいと考えている環境が良くないと考えているんですね。それは過去の人間関係だったりするんですが、ここでちょっとした言い合いになるんですよ。ここでシリーズを観てきたファンは「ん?これ大丈夫かこれ??」ってなると思います。でもこれが今作では大事なんですね。

    ところで、なぜ彼らがギリシャにいるのかというと、イギリス人の作家から招待されたんですね。このおうちがまた素敵なんですよ。自然に囲まれて開放感に溢れた、前2作にはないナチュラルな空間なんです。みんなで料理をしたり海で泳いだりのんびり過ごして、大人たちは昼間っから酒を飲んであれこれ語り合うんですねこの語らいのシーンもすごく好き。ここで一人の老女、ナターリアが心に残るセリフを言っています。"Like sunlight, sunset, we appear, we disappear. We are so important to some, but we are just passing through."これは名台詞ですね。「人はただ移ろうものなのよ」このセリフの背後にある彼女のストーリーには、じんわりと心が滲みます。これはのちのち紹介するエピソードと相まって、映画を見終わってからも印象に残っています。

    この後に二人は、ギリシャの海辺の町を散策します。あるきながら他愛のない、でも二人にとっては大切な会話がひたすら続きます。この二人の会話はいつまでも聞いていたくなるような、心温まる会話です。さて、彼らが行き着くのは・・・・

    共に招かれていた友人たちの計らいで、ジェシーとセリーヌは素敵なホテルの一室に向かっていたんですね。何をするのか、はい、言わなくてもわかりますね。トランプです!(チガウ)
    でも、彼らは途中でやめちゃうんですよ。ふとした会話の一言から、あんなに素敵な雰囲気だった二人がまた言い争いを始めてしまうんですね。ここら辺でいよいよ不安になってくるんですよ。「この二人大丈夫か?」と。さんざん言い争った挙句に、セリーヌは出て行っちゃうんですよ!おい!ちょっと待て!って言いたくなっちゃうんですが、ここからラストにかけてがめちゃくちゃ良いんですよ。本物の愛とはなんなのか、究極の質問に対して二人が出した答えはなんなのか。これはもう是非劇場で見届けて欲しい。

    ここまでを整理すると、今作のテーマは3つ有ります。
    _れたカップルと壊れかけたカップル
    ∋匐
    真の愛の在り方

    ,亡悗靴討蓮△海譴和膵イなテーマですね。「なんだかんだあったけど最後はハッピーエンドで〜っす!(*ゝω・)てへぺろ☆」みたいな、ゲロをぶっかけたくなるような何の含蓄もない映画とは違ってリアルですから!『いつも2人で』や『エターナル・サンシャイン』、『ブルー・バレンタイン』のような僕が大好きな恋愛映画にも共通するテーマです。人生とか恋愛って辛いものだと思うんですよ。その辛い現実に如何に向き合うかが大切で、意味があるものだと思うんですね。喧嘩してもいいんですよ。思いを吐き出さないのは不健全ですから。ジェシーとセリーヌだって近くにいれば喧嘩もしますよ。いつまでも若いふたりじゃないですから、恋にだけ生きてはいられないんですね。いろんな壁にぶち当たって、それをどう乗り越えるか、これが一番大切なんだと思いますよ。

    △砲弔い討任垢、今回は何の罪もない子供たちが二人の軋轢を生むきっかけになってしまっているんですね。これはしょうがないんですけど、やっぱり,鮑殞たせるには対照的な存在が必要なわけで、自分勝手な大人たちに対する、無垢な子供たちという存在は、重要な意味を持っていると思います。本当に可愛い子供達だこと。

    については何も言えません。


    まあやっぱり今回もカット数の少ないこと!どんだけ長ゼリフなんだと。一番長いシーンは11分もあります。数えてないけど、序盤は割と細かいカットの連続なので、トータル60カットくらいかなーと思います。『ゼロ・グラヴィティ』がなんだと。こっちは実写でずっと話していますからね。しかもアドリブ一切なしの完璧に台本に沿ったやりとりなんですね。それでこのナチュラルさを出せるんだから拍手ですよ!しかも9年ぶりの仕事がたったの15日間で終わってしまうという撮影の進捗も素晴らしい。リンクレーターは最高の映画監督の一人になりつつあるんじゃないでしょうか。リンクレーターに関して言えば、これまたドラマがあるんですね。

    この作品はリンクレーターがエイミーという一人の女性に捧げた映画でもあります。エイミーは、『ビフォア・サンライズ』のインスピレーションになった女性でしたが、『ビフォア・サンセット』完成後の2004年から今年2013年にかけての、いつか、どこかで交通事故で亡くなっていたんですね。リンクレーターにとっては青天の霹靂のようなニュースだったそうです。これは悲しい裏話ですよね。でもだからこそ、一期一会、一瞬一瞬の人と過ごす時間の大切さというものが、より一層強まったのかなとも思いますね。

    評価はS

    1月18日、是非劇場で。

    まだコメンタリーとか見てないんで、これから随時編集していくかと思います。

    "KICK-ASS " 

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      一発目のレビューは『キックアス2』です!
      前作から3年、世界中の度肝を抜いたアイツら(というかヒットガール)が、ちょっぴり大人になって帰ってきましたよ!
      今回の物語の軸は、前作からちょっと成長した3人のキャラクター。少し見ないうちにバキバキの体に仕上げていたキックアス(アーロン・テイラー・ジョンソン)、背も伸びて大人っぽくなったヒットガール(クロエ・グレース・モレッツ)、一部に熱狂的な支持を受けている究極のバカ、レッドミスト(クリストファー・ミンツ・プラッセ)の3人です。
      主役のキックアスを演じるテイラー君はねえ、なんかこう・・・鍛えすぎ(笑)お前強そうじゃん!って体をしてるんですよ。もうなんかプロレスラーみたいになっちゃってるんですね。これはまさか強くなっちゃってるの・・・?と思って不安なOPでしたが、そこは僕たちのキックアス、やっぱり弱い(笑)なんだよ!これ!見掛け倒しかよ!とツッコミながら観ていると、彼は今回は「強くなりたいから鍛えてくれ」ってヒットガールにお願いするんですよ。これが1つ目のテーマですね。「キックアスの成長」。で、ヒットガールはちゃんと付き合ってあげるんですね。クロエに寝技とか教えてもらってるんですよ!羨ましいですねえ!腕ひしぎ十字固めとかご褒美でしかないでしょうと。はい。で、そんなこんなしていると、レッドミストも登場するわけです。前作のラストでキックアスに父親をバズーカで粉微塵にされた人ですが、いやあ、笑わせられましたねえ今回も。序盤で実の母親にとんでもないことをしでかすんですが、余りにもバカバカしくて爆笑しました。彼は復讐の心に燃えているので、前回はスーパーヒーローのレッドミストだったのに、今回はスーパーヴィランに、その名もマザーファッカーに変身して復讐するんです。「マザーファッカーの復讐」が2つ目のテーマなわけです。名前に総ツッコミを喰らっても彼はめげずに頑張ります。キックアスのように鍛えようとします。格闘家を雇ってスパーをするんですが、30秒くらいで半泣きになります。もうこの辺も笑いっぱなしでした。坊ちゃん、大丈夫スカ?と手下に心配されると、「・・・・うるせえ!俺には金がある!おいお前ら、雇ってやるから悪者になれ!」ってスパー相手とか強い人たちを金で釣って色々な悪者を生み出していくんですよ!もうね、この悪の結社お立ち上げの行が超絶面白かった!というのも、マザーファッカーさんが一人一人に命名していくんですね。これは最高でしたねえ。どこぞの芸人がちゃらけた雰囲気で命名するのとはワケが違いますから!マザーファッカーさんは本気ですから!本気で考えた結果が超しょうもないんで笑えるんですよ!もうこれはここ最近で一番笑ったシークエンスでした。クリストファーのコメディアンの才能には毎回びっくりですね。
      で、今回のテーマの3つ目が、「ミンディのヒットガールと普通の女の子の狭間で揺れる心」ですね。ビッグダディの友人である保護者(刑事)との約束で、ヒーロー活動を禁じられてしまうんですねー。それは父との約束でもあるから、ミンディはヒーローを辞めちゃうんですよ!えええええって感じですよねえ。あ、時々ビッグ・ダディ(ニコラス・ケイジ)の遺影が背後に映り込むんですが、これがツボでした(笑)メッチャいい笑顔してるんですよ(笑)
      で、じゃあキックアスは一人でやれんのかっていうともう全然ダメなわけです。ヒットガールの指示で、前半に「ひとりでできるもん」よろしく、うさんくせえポン引きのカッコでガラの悪い兄ちゃん達に絡まれに行くんですが、最初は善戦しても1対多数だとやっぱりダメなんですよ。案の定ボコられてから、カットが切り替わるとそこにはヒットガールがいるんですね。これかっこいいですよ。「よっ!待ってましたッ!」と言いたくなるような登場で、敵をボッコボコにした後にヒットガールが言うセリフが超かっこいいので、ここは見所の一つですね。この後にミンディは保護者の刑事に禁止されているヒーロー活動がバレて禁止を食らうという流れです。で、キックアスはどうすんのかと。他のヒーローたちとチームを組むんですね。前作以降、街には多くのヒーローが増えたんですね。だっせーコスプレでみんな頑張ってるんです。そんな奴らとフェイスブックで繋がり、チームを組む。そんな中でストライプス大佐(ジム・キャリー)と出会って立ち上げるのが、「ジャスティス・フォーエヴァー」という自警団です。「ジャスティス・フォーエヴァーの闘い」が4つ目のテーマですね。ジム・キャリー演じるストライプス大佐の愛犬がドーベルマンなんですね。このドーベルマンは悪い奴のキンタマを噛むように調教されているんですよ!最高ですね、この設定。というわけで、今回は4つのテーマを軸にストーリーが展開するわけです。
      整理しましょう。
       屮ックアスの成長」
      ◆屮泪供璽侫.奪ーの復讐」
      「ミンディの心の葛藤」
      ぁ屮献礇好謄ス・フォーエヴァーの闘い」
      このうちですねー、が面白いんですよ。今まで殺しの技術ばっかり磨いてきたミンディは、高校の同年代の女の子達に巧く溶け込むことができないんですねえ。そらそうでしょうね、って話ですよね。で、そんなミンディを、クイーン・ビー(スクール・カーストにおける女の頂点)のグループが助けてあげるんですね。イケてない女の子をイケてる子が磨いてあげるってよくあるストーリーですが、これがねえ、一筋縄じゃいかないんですね(笑)
      持ち前のアジリティで、体育の授業で人気者になったミンディですが、その先には酷い展開が待ってるんですよ。これはリアルでしたねえ。で、そっからの展開が熱いんですね。誰がミンディを救うのかと。これは良くできた展開でした。スカッとしました!
      ネタバレしてもいいところはこの辺までかなあ。後半でもうひとつのテーマが加わります。これは言っちゃいけないと思うので伏せますが、今回は物語も描写も残酷さが増しています!ウンコもゲロも出てきます!みんなで下品を楽しもうぜ!という心意気に痺れることができるかどうかで、だいぶ満足度が変わってくるかなーと。
      あとはもう劇場で!って感じです。とにかく前作のファンなら楽しめること間違いなしです。アクションもみんな頑張ってます。特にラストの大乱闘シーンは最大の見所です。ヒットガールが魅せます。おおおおおおおおっ!ってなるCGが使われてます。あれはかっこよかった。

      評価はS+!何回でも観たい!

      日本では2月22日公開です。

      ・・・・せーのっ
      「ジャスティス!!フォーエヴァー!!!!」
       


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